酒は濁れど想いは一点の濁りなし  天保八年創業「白川郷」「鉄心」「決戦関ヶ原」醸造元
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三輪酒造 > にごり酒白川郷を知る

『白川郷』でおなじみ岐阜県の山間地にある大野郡白川村は、ユネスコ世界遺産委員会により「世界文化遺産」として登録された合掌造りの里として知られています。 何百年という歳月を経て、村人たちの共同労働を意味する「結(ゆい)」の絆によって守り続けられてきた合掌造りは、今も日本人の心を懐かしさいっぱいにさせる故郷の風景を醸し出しており、 訪れる人をやさしい温もりで迎えてくれます。
そして毎年 9 月の終わりから 10 月にかけて、五穀豊穰、家内安全、里の平和を山の神様に祈願すべく村内の各地区の神社で行われるのが、天下の奇祭「どぶろく祭」です。約 1300 年前からすでにこの地で祭礼に用いられていたとされるどぶろく。各神社にはいわゆる酒蔵があり古くより受け継がれた独特の技法を もって毎年どぶろくが造られ振る舞われています。「神酒どぶろく」を飲みながら村人と遠来の客が収穫に感謝する風情は、まさに日本の故郷の祭といえます。
その白川郷とは昭和 49 年、三輪酒造六代目が白川村元村長より、一年中呑んでもらうことが出来てしかも販売することが可能な「どぶろく」の製造を依頼され、白川郷のどぶろくに近いにごり酒を誕生させたのがこのご縁の始まりです。しかし誕生当初は通年販売可能なにごり酒など前例がないために酒税法上認めらなかったわけですが、諦めずに交渉を続けた結果として、「このにごり酒の販売は密造防止になり、とても良いことである」という評価に至り、やがて国税庁より認可を受けて「にごり酒」として販売することとなりました。そして白川村からも大変喜ばれ、同村議会の議決により「白川郷」の商標使用が許可されることとなったのです。
純米にごり酒白川郷は、「白川郷」の名に課せられた時代の役割を大切にしながら、素材や製法にこだわり、次世代に伝承されるにごり酒の文化を醸し出したいと考えております。


一般に酒造好適米と言われるお米は、食料米と比べて粒の大きさが約 1.5 倍で中心にあるデンプンの塊も大きく、反対にタンパク質や脂肪は少ないので吸水がよく、麹菌が入りやすい特性をもっています。



純米にごり白川郷は、にごり酒特有の麹造りにこの酒造好適米を使う一方で、味の奥深さを醸し出すために掛米には飯米も使用しています。 そして一般的にこの米一升から約二升の清酒が造られるのに対し、純米白川郷は二倍近くの米を使って造られます。



これは、酒米の使用量で比較したら、精米 50%以下の大吟醸に匹敵するもので、上質酒米のみで仕込んだ純米白川郷のおいしさの秘密がここにあります。


米を丁寧に精米したのち、洗米し水温や精米度に合わせて時間を決め、水に漬けた原料米を麹づくりにふさわしい状態に蒸し上げます。



蒸し米に黄麹菌をつけて「こうじ」を造ります。麹室で杜氏がまんべんなく米と麹菌を合わせるために汗を流します。

日本酒度は、お酒に含まれるエキスの濃度を水と比較した数値で、一般的に甘辛の目安とされています。



+であるほど辛口、-であるほど甘口である日本酒度は、純米白川郷の場合-25 度と、一般の純米酒とは比較にならないほど。



これは、醸造過程でアルコール分が 15 度に達したところで発酵を停止させ、もろみの旨さを引き出させるという独自の製法に秘訣があります。


こうして、米のもつ自然の旨みが-25 度という甘さを醸し出しているのです。



ここまで素材、製法にこだわった純米白川郷を、一年中おいしく味わっていただきたいという思いで試行錯誤の結果、もろみの旨さを充分引き出してから、独自の方法で殺菌する技術を考え出しました。


この技術によって、独特の風味やおいしさを保ちながら、一年中お届けできるようになりました。


おいしい飲み方は、10℃位に冷やしてそのまま飲んでいただくのが一番ですが、氷を浮かべてロックで飲むのもなかなかおつなものです。



麹に酵母、蒸し米、水を加え、三段階に分けてもろみを仕込みます。
そして発酵が進んだもろみに四段と呼ばれる最後の仕込みをおこなって後に、にごり酒となります。


酵母の増殖を促しながら、二十日ほどかけてゆっくりと発酵させます。発酵を終えたもろみは上槽 ( 網漉し )、加熱 ( 火入れ ) の工程を経て貯蔵します。

酒造りは、その年によって異なる米の出来や気候など、人間の力ではどうしようもない自然を相手に仕込まなければならない難しさがあります。



室の温度や湿度、洗米の時間が少し変化するだけで味に影響してしまうため、頼りになるのは、杜氏の研ぎ澄まされた五感と経験しかないのです。



とくに、純米白川郷は、米とこうじと水だけを原料とし、発酵度合いが直接「味」を左右してしまう「にごり酒」であるため、仕込みに対する緊張感は大変なものです。



蒸米・麹・酵母・水で造られた初添を、酵母の増殖のために 1 日休ませた ( 踊り ) 後に、蒸米・麹・水を繰り返し加えて中添、留添になる。初添から留添までの 3 工程が 4 日間で 仕込まれる。そして、しっかりと発酵したモロミに、再び麹で糖化された米が仕込まれる。

その後酵母の増殖を促しながら、二十日ほどかけてゆっくりと発酵させます。

発酵が進んだもろみに四段と呼ばれる最後の仕込みをおこないます。

発酵を終えたもろみは各酒ごとに上槽 ( 網漉し )、加熱 ( 火入れ ) 等の工程を経てできあがります。