一般に酒造好適米と言われるお酒は、食料米と比べて粒の大きさが約1.5倍で中心にあるデンプンの塊も大きく、反対にタンパク質や脂肪は少ないので吸水がよく、麹菌が入りやすい特性をもっています。 純米にごり白川郷は、にごり酒特有の麹造りにこの酒造好適米を使う一方で、味の奥深さを醸し出すために掛米には飯米も使用しています。 そして一般的にこの米一升から約二升の清酒が造られるのに対し、純米白川郷は二倍近くの米を使って造られます。 これは、酒米の使用量で比較したら、精米50%以下の大吟醸に匹敵するもので、上質酒米のみで仕込んだ純米白川郷のおいしさの秘密がここにあります。 |
米を丁寧に精米したのち、洗米し水温や精米度に合わせて時間を決め、水に漬けた原料米を麹づくりにふさわしい状態に蒸し上げます。 |
蒸し米に黄麹菌をつけて「こうじ」を造ります。麹室で杜氏がまんべんなく米と麹菌を合わせるために汗を流します。 |
日本酒度は、お酒に含まれるエキスの濃度を水と比較した数値で、一般的に甘辛の目安とされています。 +であるほど辛口、−であるほど甘口である日本酒度は、純米白川郷の場合−25度と、一般の純米酒とは比較にならないほど。 これは、醸造過程でアルコール分が15度に達したところで発酵を停止させ、もろみの旨さを引き出させるという独自の製法に秘訣があります。 こうして、米のもつ自然の旨みが−25度という甘さを醸し出しているのいるのです。 |
ここまで素材、製法にこだわった純米白川郷を、一年中おいしく味わっていただきたいという思いで試行錯誤の結果、もろみの旨さを充分引き出してから、独自の方法で殺菌する技術を考え出しました。 この技術によって、独特の風味やおいしさを保ちながら、一年中お届けできるようになりました。 おいしい飲み方は、10℃位に冷やしてそのまま飲んでいただくのが一番ですが、氷を浮かべてロックで飲むのもなかなかおつなものです。 |
麹に酵母、蒸し米、水を加え、三段階に分けてもろみを仕込みます。そして発酵が進んだもろみに四段と呼ばれる最後の仕込みをおこなって後に、にごり酒となります。 |
酵母の増殖を促しながら、二十日ほどかけてゆっくりと発酵させます。発酵を終えたもろみは上槽(網漉し)、加熱(火入れ)の工程を経て貯蔵します。 |
酒造りは、その年によって異なる米の出来や気候など、人間の力ではどうしようもない自然を相手に仕込まなければならない難しさがあります。 室の温度や湿度、洗米の時間が少し変化するだけで味に影響してしまうため、頼りになるのは、杜氏の研ぎ澄まされた五感と経験しかないのです。 とくに、純米白川郷は、米とこうじと水だけを原料とし、発酵度合いが直接「味」を左右してしまう「にごり酒」であるため、仕込みに対する緊張感は大変なものです。 |